値上げで他社にシェアを取られても良い理由
食料品やガソリン代、電気代など、今さまざまなものが値上げになり、生活が徐々に厳しくなっている実感があります。
一方で、あなたが所属している会社の方は、順調に値上げ交渉はできていますか?
今私たちには2つの選択肢があります。
1つは「頑張って価格を維持すること」もう1つは「値上げをして、適正な価格で販売すること」です。
この記事では「値上げをして、適正な価格で販売すること」に対しての考え方についてまとめていきます。
今回読んだ本は
「価格上昇時代のマーケティング なぜ、あの会社は値上げをしても売れ続けるのか」
小阪裕司さんの本です。
まずはこの本の目次です。
- 第1章 価格上昇時代がやってきた
- 第2章 安さこそが価値からの脱却
- 第3章 価格は価値に従う
- 第4章 値付けの作法 顧客を見て価格をつける
- 第5章 値上げの作法 価値あるものを、さらに高く売るために
- 第6章 今、目指すべきマスタービジネスへの道
- 第7章 値決め感性の磨き方
- 終章 今こそ自分たちの存在意義を問い直すとき
以下に「価格上昇時代のマーケティング なぜ、あの会社は値上げをしても売れ続けるのか」より、参考になった点をまとめていきます。
節約とは予算配分
生活費を節約しなきゃ、と言っている主婦が、一方でハマっている韓流の推し活には大いにつぎ込んでいたりする。
ここでいう「節約」とは「予算配分」の話で、限られた予算の中で、配分したいものにお金をより配分するために、どうでもいいものは切り詰める。
支払いは顧客にとって痛み
「支払い」は顧客にとって常に痛み。
この痛みは誰にでも発生し、どんな大富豪でも支払いは少ない方が痛みは少ない。
値段が高すぎる、安くして欲しい、という世間や顧客の声は聞くべきではあるが、それを間に受けすぎない方がいい。
コロナ禍で進んだ選別
コロナ前はよく行っていたけれど、いつの間にか行かなくなった店があるのではないだろうか。
積極的に「行きたくない」と思ったわけではないが、「行かない」という選択肢をとったということになる。
一方で緊急事態宣言解除後にすぐ顧客が殺到した、「自分にとって意味のある店」もある。
価格上昇時代にも同様に選別が行われることになる。
買いたいか、買いたくないか
お客様がものを買うまでには、2つのハードルがある。
最初のハードルは「買いたいか、買いたくないか」、その先のハードルが「買えるか、買えないか」で、まず最初のハードルを超えてもらう必要がある。
そのためには「あなたがこの商品を買う意味」を伝えなくてはならない。
時間をかけて商品を育てる
価値を伝えるのには時間がかかることもある。
だから、自分たちが「価値ある」と思う商品、サービスにはじっくり取り組んで欲しい。
シェア争いという古い考え方
なるべくたくさんの人が買ってくれたほうがいい、という考え方にとらわれてはいけない。
同業他社との戦いでシェアを取るという考え方がもう古い。
考えるべきは、業界のシェアではなく、顧客の予算配分のシェア。
お客様は選んでいい
値上げは、自社にとっての優良顧客を絞り込むチャンス。
価格だけを求めていた顧客は、他にもっと安いものが生まれればすぐに移ってしまう。
しかし、価格を上げても流出しなかった顧客は、価値をあなたの商品や店に意味合いを見出してくれているということ。
自分が成長したら価格を上げる
自分が提供できる価値のレベルを軸に考えて価格を上げる、という方法。
自分が精進することで、提供できる価値が上がったら、それに合わせて価格を上げる。
まとめ
顧客の予算配分のシェアを取る、という考え方は意外と目に鱗でした。
今後さまざまなものが値上げになり、そして収入が増えなければさらに可処分所得が減っていきます。
税金を上げる話も出てきているようですし。
そのような中で顧客に選ばれるような商品、サービスを提供していきたいものですね。